民間企業から公務員への転職というのは、
今の転職市場ではどのような評価でしょうか。
コロナの影響がある中で、やはり社会のインフラとして「安定」が魅力の公務員は、
一定のニーズがあると思います。
しかし、公務員ならではの過酷な状況も昔に比べて結構露呈してきました。
少子高齢化社会、人員削減、低賃金、クレームの嵐・・・
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「民から公へ転職したら・・・どうでした?」

今回の記事では、
実際のところ、民間企業から公務員へ転職された方について、
- どのくらい転職者っているの?
- なぜ民間をやめて転職をしたのか?
- 公務員へ転職して給料はどうなったのか?
- 年齢重ねて転職したけど、出世はどうなのか?
といった点について、現職公務員の目線からお伝えしたいと思います。
この記事で想定している読者は
「民間企業から公務員へ転職を考えている」
「民⇒公に転職した人のリアルを知りたい」
といった方々に想定しており、リアルな公務員の目線なので、信頼性はあると思いますよ。
①民⇒公の転職者の数やボリューム層
最近は公務員はオワコン、低賃金、重労働などかなり厳しい評価を受けていますが、
ここ数年、民間企業から公務員に転職する方は年々多くなっている気がします。
年齢のボリューム層は20代後半~30代前半のやはりアラサーが多いですね。
私の自治体では、30歳半ばで入庁される方もいらっしゃいます。
大体そういう方は結婚されていますが、給料体系としては、大卒の新卒とほぼ変わらないので、その給料で生活するとなると相当カツカツでしょう。
私が入庁したのが7年ほど前になりますが、その当時からずっと民間企業から公務員として転職される方は年々増していくイメージで、
現在では、どの課にも一名以上は民間経験のある方が在籍しているような状況です。
②配属される部署は?
新人の配属に関しては、毎年新人が入る課、絶対に新人が配属されない課といった明確な区分があります。新人が多く配属される課といえば、税関係の部署、福祉関係の部署といったところでしょうか。
たまに政策系の部署にも配属される方もいるので、最近では、新人でもどこでも配属されます。そうでもしないと人が足りませんから。
民間からの転職組でもその傾向は変わりません。
ただ、転職前の経歴で特に専門的な分野に勤めていた経験があると、
その分野に関係のある部署に配属となるケースが多く、この点に関しては新卒の配属とは若干異なる点です。
私が知っているケースでは、
- メディア関係の経歴がある方⇒広報誌を扱う部署
- IT企業に勤めていた⇒情報系の部署
といった関連性のある部署に配属される方もいらっしゃいます。
また、こういった方は在籍年数も他職員と比べると長くなる傾向があります。
通常、新人の異動スパンはどんな職員であれ3年、長くても4年ですが、
民間からの転職組で専門的な経験を持つ方は5年~7年程度、一つの部署に在籍することもあります。
③公務員へ転職した理由はなんですか?
一番気になる転職理由ですが、割合で言うと、
- 転勤がない
- ワークライフバランスが取れている
- 残業が少ない
といった理由で転職されている方が多いです。お話を聞いたりすると、全国転勤ありの営業職の方が、家庭を持つと、
転勤がなく、基本的に一つの場所に住むことのできる市役所
を転職先に選ぶ方が多いです。
そして、大体の方が入庁後に考えていたより役所は大変だという感想を持ちます。
いきなり忙しい部署に配属されたりすると「こんなはずじゃなかった・・・」
と嘆く方もいると思います。
④転職による給料への影響はどうですか?
給料については、大半の方が大幅に減ったとよく聞きます。
中には民間時代と比較し、半分になったという方もいらっしゃいます。
面白い特徴としては、少なくとも私が見たり聞いたりする限りでは、
給料面を理由として公務員への転職をした方は誰もいませんでした。
公務員の給与体系については、法律や条例で決まっているため基本的には入庁した年齢など関係なく、横一線です。
しかし、各自治体によって仕組みは異なりますが、
一定以上の年齢や一定上の勤務経験があって入庁すると、昇進のスピードが同期の新卒とは若干異なります。
しかし、基本的な給料体系はその年に入った同期の職員の水準とあまり変わらないでしょう。
⑤転職前はどういった仕事をしていましたか?
転職前の業種としては、本当に様々です。銀行、保険、外食、教育など様々です。
料理人として腕を振るっていた方が入庁してくるケースもありました。
もちろん正社員ではなく、非正規雇用の方もいらっしゃいます。
また、正確には転職とは言えませんが、
フリーターやニートから公務員に合格したという方も、そこそこいます。
なお、フリーターから公務員試験を目指したい!という方はこちらの記事も参考にしてください。
民間企業とは違い、業界の相場もなく、受験資格を満たしていれば基本的に誰でも受験でき、誰でも合格できるので、
職歴が何もなく、かなり絶望的なポジションにいる方の最後の砦として、公務員試験はいわゆるセーフティーネットの一つなのかもしれません。
⑤民間転職組は出世に差がでるの?
民間から転職をした段階で、出世を考えているかたはあまりいらっしゃらないとは思い餡巣が、出世を「早いスピードで昇進し、管理職になる」と定義すると、
給料面のところで書いたように、一定以上の年齢、勤務経歴があると、同期の新卒入庁組と昇進の流れが若干異なりますが、
基本的な枠組みとしては横一線です。
また、部署の異動に関しては一つ一つの部署の在籍年数が比較的長めだと思います。それがよいのか悪いのかはわかりませんが、
出世のスピードについて、転職組だから有利になる、ということは全くありません。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は民間企業から公務員へ転職される方についてお伝えしましたが、やはり一定の職歴があるため、配属される部署によっては、即戦力としていきなりバリバリ働かれる方もいらっしゃいます。
普通の新卒との違いは、やはり一つの部署に比較的長めに在籍する方が多い、というところですかね。これは自治体によっても様々ですが、長めに在籍されている方は大体民間からの転職組であることが多かったです。
ここ数年は転職組の人数も多いので、同期との飲み会なども躊躇なく入っていけると思いますし、これから変化を求められる役所にとって、民間企業での経験はとても戦力になると思うので、やりがいもあると思いますよ!